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鬼界彰夫『ウィトゲンシュタインはこう考えたーー哲学的思考の全軌跡1912-1951』

 鬼界彰夫ウィトゲンシュタインはこう考えたーー哲学的思考の全軌跡1912-1951』のレビューです。
 後期ウィトゲンシュタインについてはネットで得た知識となんとなくのイメージくらいしかないのでなんか読んでみるかということで。400ページを超えていてなかなか新書としてはヘヴィだけど、読みやすいのですらすらいける。高校生でも十分読めると思う。ただ、400ページの割に内容が超絶薄い気もする。なんというかウィトゲンシュタインを勉強したい入門者向けというよりも、興味ない情報が結構あってむしろマニア向けな感じがした。あるいはウィトゲンシュタインを研究するってこういうことなのかもしれないけれど。一冊の本として物足りなさを感じた。

 これを読んだだけでウィトゲンシュタインがわかりましたってことはあり得ないと思う。やっぱりウィトゲンシュタインの著作そのものを読まないとだめなのでは。といっても生前刊行されたのは『論理哲学論考』だけだったんだね。
 というわけで、まずは『論理哲学論考』読んでみてはいかがでしょうか。

論理哲学論考 (岩波文庫)

論理哲学論考 (岩波文庫)

 ぼくは以下の解説本も一緒に読んだ。こちらもおすすめ。
ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む (ちくま学芸文庫)

ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む (ちくま学芸文庫)

 

 あと、ぼくは読んでないけど、後期ウィトゲンシュタインを知るってことで『哲学探求』はずっと興味あった。

ウィトゲンシュタイン全集 8 哲学探究

ウィトゲンシュタイン全集 8 哲学探究

 ウィキペディアだとこのページ↓
哲学探究 - Wikipedia
 でも今回この新書読んでみてむしろ『確実性の問題』のほうが気になった。
ウィトゲンシュタイン全集 9 確実性の問題

ウィトゲンシュタイン全集 9 確実性の問題


 まあこの新書はウィトゲンシュタインを学びたいってひとにはおすすめはできないかな。400ページの割に中身がないので。でもまあウィトゲンシュタインが死ぬ数日前までずっと哲学的思考を続けたのはすごいなあと思った。そういう物語として読むならまあ面白いかもしれないね。


 目次↓

 序


第一部 ウィトゲンシュタインのテキストの特徴と読み方
  遺伝子操作に似たテキスト操作……遺稿の全体像とテキストのタイプ……ウィトゲンシュタインのテキストの読み方……引用テキストの参照方法


第二部 言語をめぐる思考〈1912-1918〉
  1. 『論考』から、『論考』を生み出した思考のドラマへ
  2. 論理をめぐる思考の始まり
  3. 言語、論理、語りえないものーー「ムーアノート」の思考の地平
  4. 言語と絵画ーーゴプラナ号の言語哲学
  5. 言語と「私」ーー後スランプ期の思考


第三部 生をめぐる思考〈1914-1918〉
  1. 生と言語
  2. 生の問いの起源
  3. 生世界論と倫理
  4. 主体と独我論


第四部 『哲学探求』の思想〈1929-1946〉
  1. 『哲学探求』の謎
  2. 時期区分と関連主要テキスト
  3. 『考察』期の思考ーー『論考』の思考の拡張と完成
  4. TS213期の思考ーー『論考』と『探求』の分水嶺
  5. 『哲学探求』という物語の解明
  6. 『探求』第一部(§§1-197)の思考ーー三大転換の地平と二つの問題
  7. 『探求』第二部(§§198-242)の思考ーー「規則に従う」の発見
  8. 『探求』第三部(§§243-315)の思考ーー独我論の運命と私的言語
  9. 『探求』第四部(§§316-693)の思考ーー意味、意図、信念の重制度性


第五部 「私」と言語ーーウィトゲンシュタイン最後の思考〈1949-1951〉
  1. 『探求』後の思考の歩み〈1946-1951〉
  2. 『確実性』を生み出した思考の場
  3. 『確実性』の思考

☆☆