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『パウル・ツェラン詩文集』

パウル・ツェラン詩文集

パウル・ツェラン詩文集

パウル・ツェラン詩文集』のレビューです。
 200ページなのでさくっと読めた。詩は100ページまで、そこから170ページまでが講演など。あとは解説って感じ。


 気に入った詩もあってもっと読みたくなった。やっぱり全詩集も近いうちに読もう。
 ぼくは詩が苦手で、ヘルダーリンくらいしかぴんと来るのがなかったんだけど、パウル・ツェランもなかなかいいね。とくにこの本の最初の方の詩でなんかずしんと来たなあ。詩を読んですんなり自分の中に入ってくることってあまりないんだけど、相性がいいのか、今回は入ってきた。ただあまりぴんとこない詩もあったのは事実。とくに後半の短いやつはよくわからなかった。もっとたくさん読めばわかるようになってくるのか。
 第二部は詩論ってことになってるけど、分量的にもそこまでたいしたものではない。パウル・ツェランはみずから進んでは詩論を書いてないらしい。ただ「山中の対話」は好きだな。
 この本に収録されてる詩は全体のわずかだけど、これだけでもパウル・ツェランがどういうひとなのかはなんとなくわかる気がする。かれは自殺したらしいけど、読んでて「あ、このひと絶対自殺するな」ってわかっちゃうというか。
 目次↓

    I 詩


 罌粟と記憶

死のフーガ
光冠
数えろ、アーモンドの実を



 敷居から敷居へ

入れ替わる鍵で
夜ごとゆがむ
沈黙からの証しだて



 ことばの格子

声たち
白く軽やかに
ことばの格子
引き潮
迫奏



 誰でもないものの薔薇

ぼくらにさしだされた
頌歌
あかるい石たち



 息のめぐらし

わたしをどうぞ
立っていること
糸の太陽たち
灼きはらわれた
ひとつのどよめき



 糸の太陽たち

刻々
咬傷
そのさなかへ
おまえは
アイルランド風に
時がきた
力、暴力



 迫る光

かつて
ブランクーシ宅に、ふたりで
さえぎられて
あなたが
祈りの手を断ちきれ
狂気への道をたどる者の眼
あらかじめはたらきかけることをやめよ



 雪の区域

落石



    II 詩論

*講演
ハンザ自由都市ブレーメン文学賞受賞の際の挨拶
子午線
ヘブライ文芸家協会での挨拶



*散文
エドガー・ジュネと夢のまた夢
逆光
パリのフリンカー書店主のアンケートへの回答
山中の対話
ハンス・ベンダーへの手紙
フリンカー書店主のアンケートへの回答
真実、雨蛙、作家、赤ん坊を運んでくる鸛
シュピーゲル誌のアンケートへの回答
詩は……



解説
パウル・ツェラン年譜

☆☆☆