愛してくれてマジ感謝

フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

ミシェル・ウエルベック、ロレンス・ダレル、ダニロ・キシュ、パスカル・キニャール、エミール・ゾラ

 ただの日記です。今日、本が届きました。やったー。『パウル・ツェラン全詩集』買ってまだ1文字も読んでないのに(安部公房全集と一緒にたんすの中に眠っています……。なぜたんすっていわれても困るけど)、また買っちゃったよ。

 ちなみにいまはベケットクワインを放置して、ウエルベックの『地図と領土』を読んでいますが、土日読もうと思っていたのに結局酒飲んでばっかりでまったく進んでいません。

 買うだけ買って読まないのかな。なんかもうぼくに読書は無理なんじゃないかと思えてくる。ちなみにいまのところ『地図と領土』はかなり地味で穏やかな感じなのだけど、これゴンクール賞らしいんだよね。だからきっと後半になにかがあるはず……。ウエルベックは『素粒子』面白かったけど、『プラットフォーム』がちょっと興味持てなくて、もういいかなと思ってたんだけど、『地図と領土』読んでちょっと見直してるところ。


 今回買ったのはこれです↓

 どれもAmazonカートにずっと入りっぱなしだったやつで、やっと買えたのでうれしいです。
 ダレルの『アヴィニョン五重奏』はずっと読みたかったし、キニャールは現代の世界文学で注目のひとりらしいので気になってはいました。


 さて、ちょっとだけ『アヴィニョン五重奏』の冒頭を見てみよう。原書持ってるので。てか、原書のほうが圧倒的に安い。
 まずは日本語訳から

 もう遥か昔から、僕たちはいつも、パリを出て南へ向かう列車を使っていた。ゆっくりとしたあの長い列車が、まばゆい白熱光を発する芋虫のように青い光を連ね、黄昏のなかを走っていく。夜明けにプロヴァンスに達すると、まだらになった月光を浴びた田園が虎の毛皮のような縞模様になっていることもしばしばだった。僕の記憶の鮮やかなこと、彼の記憶の鮮やかなこと! 僕はあのブルースだったし、こうして毎日少しずつ言葉を連ねていくと、僕はあのブルースになっていく。思いもかけない急停車や説明のない遅れなど日常茶飯事だった、あの列車。田園が広がるなかでさえも、列車がいつなんどき眠りにつき、そのまま数時間にわたって思索に耽ってしまうかは分からなかった。記憶それ自体の渦巻きのようにーー例えば、怯えたオタマジャクシのように、「自殺」という言葉の周囲をめぐる思考。定刻に到着したことはなかったし、これからもないであろう、僕たちの列車。
(p.5)

アヴィニョン五重奏I ムッシュー ---あるいは闇の君主 (アヴィニョン五重奏【全5巻】)

アヴィニョン五重奏I ムッシュー ---あるいは闇の君主 (アヴィニョン五重奏【全5巻】)


 原書だと↓

   The southbound train from Paris was the one we had always taken from time immemorial - the same long slowcoach of a train, stringing out its bluish lights across the twilight landscapes like some super-glow-worm. It reached Provence at dawn, often by a brindled moonlight which striped the countryside like a tiger's hide. How well I remembered, how well he remembered! The Bruce that I was, and the Bruce I become as I jot down these words, a few every day. A train subject to unexpected Halts, unexplained delays; it could fall asleep anywhere, even in open country, and remain there, lost in thought, for hours. Like the swirls and eddies of memory itseof - thoughts eddying about the word ”suicide”, for example, like frightened tadpoles. It has never been, will never be, on time, our train.
(p.5)

The Avignon Quintet: Monsieur, Livia, Constance, Sebastian and Quinx

The Avignon Quintet: Monsieur, Livia, Constance, Sebastian and Quinx



 うーん、とりあえず冒頭だけなら『アレクサンドリア四重奏』のほうが好きだな。てか、英語のとき、ダッシュの入れ方がよくわからない。Macでどうやるんだー。基本的なことがわかってないのは恥ずかしいな。そういえばぼくは日本語でもMacでダッシュをどうやって入れるのかいまだにわかってないw


 あと、ずっとほしかったゾラの『ジェルミナール』の英訳買いました。例によってEveryman's Libraryってやつですが。

 これでフランス語、英語、日本語が揃った。なんか嬉しい。日本語の新訳と並べるとこんな感じです↓


 うーん、やっぱり洋書のほうがかっこいいかな!


 これもちょっと比較をしてみよう。

 星なき夜の平野は漆黒の暗闇に包まれていた。一人の男がマルシエンヌからモンスーに向かう大街道を歩いていた。この十キロにわたる道路はビート畑の間をまっすぐに通っていた。彼の前には黒い土さえ見えず、広大な地平は三月の風の吹き寄せによって感じられるだけだった。海の上にいるような激しい突風が十キロにわたる沼沢地やむきだしの大地を吹き払い、冷えこませていた。一本の木の影も空には映らず、道路は陰鬱な暗闇の只中をまっすぐな突堤のように伸びていた。
(p.6)

ジェルミナール

ジェルミナール


 つぎに英訳。

   On a pitch-black, starless night, a solitary man was trudging along the main road from Marchiennes to Montsou, ten kilometres of cobblestones runnning straight as a die across the bare plain between fields of beet. He could not even make out the black ground in front of him, and it was only the feel of the March wind blowing in great gusts like a storm at sea, but icy cold from sweeping over miles of marches and bare earth, that gave him a sensation of limitless, flat horizon. There was not a single tree to darken the sky, and the cobbled highroad ran on with the straightness of a jetty through the swirling sea of black shadows.
(p.3)

Germinal (Everyman's Library Classics)

Germinal (Everyman's Library Classics)


 ていっても、これは英訳なので、フランス語原文と比べなきゃ意味ないな。でもフランス語入力するの面倒くさいなあ。

   Dans la plaine rase, sous la nuit sans

 あ……、アクサンが出てくるとめんどくさい。やめやめw 日本語と英訳どっちが好きかな????



 ぼくは自分で書くときかなりゾラを意識してます。なんかゾラの文章はわくわくするんだ。とにかく面白い。面白さと文学性を両立させたい。といってもぼくにとっての面白さってちょっと世間からずれてるような気もするけど。



 とにかく本読む時間がほしい。いまちょっと引用というか、引用になってないけど、書いてみただけでなんかわくわくしちゃったよ! やっぱり楽しいな。クレーンゲームやって酒飲んでる場合じゃないんだ! もっと生活を見直すんだ!



 あ、ちなみに、パスカルキニャールとダニロ・キシュの本はこれです↓

砂時計 (東欧の想像力 1)

砂時計 (東欧の想像力 1)

アマリアの別荘

アマリアの別荘