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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

パスカル・キニャール『アマリアの別荘』

小説 パスカル・キニャール ☆☆☆

アマリアの別荘

アマリアの別荘

 フランスの小説家パスカルキニャールの『アマリアの別荘』の感想です。
 帯には

夫の浮気を知ったアンは、決然とすべての生活を“処分”して、新たな人生を始めるための旅に出る。さまざまな出逢いが交錯し、思いがけない事態が迫りくる。彼女は安らぎの場所を見出せるのか?……現代フランスを代表する作家の集大成にして傑作長篇。

とある。

 ずっと興味あったので読んでみた。衝撃的な作品ってわけではないけど、とてもいい本なんじゃないかな。アンは47歳なので、アンニュイな中年女性が読むと結構共感できるかも。幸せいっぱいってひとが読んでも面白くないとは思うけど。
 地の文で短い文章が淡々と連続するのは特徴的かな。
 結構あっけなく周りのひとたちが死んでいく。ジョルジュが死んでいるところの描写は面白い。こう書いてある。

彼女は彼の額に手を置いた。冷たくなっていた。手から本が落ちた。
(p.357)

 さらっと書かれてる。ぼくはこれだけ短い文を連続させるのは怖いと思ってしまう。
 全体通して印象に残ったのはp.179の以下のセリフ。

「ママ、もう一度繰り返すけど、私には住所がないの」

 あとp.361の

 そしてすべてが、ついに遠ざかり、休息する。
 そしてすべてが沈黙する。
 アン・イダンは目を上げて窓を見やる。
 日が昇っている。
 なにもかも真っ白。

 現在パスカルキニャールで簡単に手に入るのはこの作品しかないのが残念ですね(´・ω・`) もうちょっと読んでみたい。
☆☆☆