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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

牧野雅彦『精読 アレント『全体主義の起源』』

牧野雅彦 ☆☆

精読 アレント『全体主義の起源』 (講談社選書メチエ)

精読 アレント『全体主義の起源』 (講談社選書メチエ)

 牧野雅彦『精読 アレント全体主義の起源』』のレビューというか簡単な感想です。

 まず言っておきたいのはこれは軽く30分くらいで読める新書的な、入門書的なものではないということです。結構がっつり書かれてます。分厚い本ではないのに読むのに結構時間かかりました。引用が大量にあって、なかなか読書のリズムがつかみづらいところがあります。
 原書は翻訳されていて、3巻あるみたいです。

全体主義の起原 1 ――反ユダヤ主義

全体主義の起原 1 ――反ユダヤ主義

全体主義の起原 2 ――帝国主義

全体主義の起原 2 ――帝国主義

全体主義の起原 3 ――全体主義

全体主義の起原 3 ――全体主義


 これだけの分量の本をわずか240ページ程度で語り尽くすなんてことは到底無理なので、この本自体には説得力とかはあまり感じませんでした。ふーん、アレントはそう言ってるんだ、くらいの感じで。なので、あくまで原書読んだことのある人向けなのかなあと思いました。
 一番好きだなあと思った箇所は↓

 この内的な強制力は論理の専制であって、これに対抗できるのは何か新しいことを始めるという人間の偉大な能力の他にない。論理の専制は、自分の思想を生み出すときに頼る無限の過程としての論理に精神が屈服するときにはじまる。外的な専制に対して屈服するとき人間は運動の自由を放棄するが、それと同時に論理への屈服によって人間は内的な自由を放棄するのである。
(p.218)

 まあこういうのは原書をちゃんと読まないことにはどうしようもないと思いますね。文庫で出してくれないかなあ。1冊5000円って普通って言えば普通だけど、3冊あるからなあ……

☆☆

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