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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

スベトラーナ・アレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り――未来の物語』

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ ☆☆☆

チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫)

チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫)

 スベトラーナ・アレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り――未来の物語』の感想です。2015年ノーベル文学賞受賞のジャーナリストらしい。

 題名の通りチェルノブイリについての本。いろんなひとにインタビューしてその声を載せてる。なるほどいい本だ。しょうもなくない本ってのはこういう本のことを言うんだわね。難しい本ではないので一気に読めます。フクシマの件もあるので、日本人は読んでみるべきだと思う。
 こういう本読んで泣けたわーとかいうことほど愚かなことはないし、ぼくも基本的には冷めた態度で読んでるんだけど、それでもつらかった。とくに以下の部分。

 クラスの女の子たちは、私が血液のがんだと知ってから、私といっしょにすわるのをこわがってるわ。ふれるのも。
 パパがチェルノブイリで働いていたから、私が病気になったんだとお医者さんがいった。私は、そのあとで生まれたのに。
 私はパパが好き。
(pp.264-265)

 出てくる人たちがみんなそれなりに幸せなひとたちだった。なんだかぼくは落ち込んでしまう。みんな愛するひとがいて、生活がある。当たり前のように結婚して当たり前のように子供がいる。うらやましいなと思った。たとえばぼくの生活が原発事故によって脅かされたり、癌になって死んだりしても誰も同情しないし、泣いたりしないでしょう。もちろんこういうジャーナリストがぼくに話を聞きに来るなんてこともありえないわけだ。愛し愛される人間だから悲劇にもなる。悲劇から放り出された人間はどうしたらいいんだろうとかまったく関係ないことを考えてしまった。ぼくらはフクシマが爆発するのをテレビで見ながらニヤニヤ笑っていたよね。
 ってひどい感想だw
 世の中にはくだらない本が多すぎるけど、読む価値のある本だと思いました。
☆☆☆