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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

永瀬ようすけ『さよならノクターン』1巻

漫画 永瀬ようすけ ☆☆☆

さよならノクターン (1) (カドカワコミックス・エース)

さよならノクターン (1) (カドカワコミックス・エース)

 永瀬ようすけ『さよならノクターン』1巻の感想です。

 廃墟のラブホテル「ノクターン」に集まった中学3年生5人の物語。5人はそこだけの友人ってことで、プライベートでは関わらないというのが掟らしい。
 それぞれ家庭環境に問題を抱える5人。なにか面白いことをしようってことでお助け団を結成して、ひっそりといろいろ善行をしていく。そのうち銀行強盗を見つけて捕まえようとするけど、一悶着の末に殺してしまう。で、2巻に続くって感じ。
 ヒロインの女の子が親から虐待受けてるのがなんか悲しかったな。それぞれがそれぞれの理由があってノクターンに来たわけだけど、ヒロインの女の子はそこに自殺しようと思って来てたらしい。
 ぼくがこの漫画買ったのはアニメの「あの花」に似てる話かなあなんて思ったので(「あの花」自体は好きじゃないんだけど)。
 ストーリーはありながちな気がする。こういうインターネット描写はやがて陳腐化してしまうので、長く読まれるタイプの作品ではないと思う。
 でもテンポがいい。それに楽しげな雰囲気のなかに鬱屈だったり、孤独感だったり、つまらなさといったものがよく表現できてると思う。ちょっとした文学の短編小説って感じの味わいがある。
 ストーリー的には予測できて、というか冒頭ですでにネタバレしているので、そういう「次どうなるんだろう」的なワクワク感みたいなものはまったくないのだけど、描写が過剰になりすぎず薄暗くて上手いと思う。現代社会の馬鹿馬鹿しい面も切り取っているのだけど切実な苦しさみたいなものもあって、軽妙だけどどんよりしてる、そんな作品。
 まあ1巻はストーリー的にはテンプレでしかなく5秒で考えたような話なのだけど、今後の描き方に興味があります。リアリティをどう維持していくのか。人生の退屈さつまらなさと起きてしまった非日常の対比、そしてそれの溶け合う瞬間がどうなるのか。そこに本物の狂気が生まれると思うので2巻に注目かな。そこで生まれる狂気がテンプレ的な過剰表現に陥ってしまっていたら悲しいけれど。
☆☆☆

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