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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

伊藤邦武『プラグマティズム入門』

新書 哲学 伊藤邦武 ☆☆☆

プラグマティズム入門 (ちくま新書)

プラグマティズム入門 (ちくま新書)

 ちくま新書の伊藤邦武『プラグマティズム入門』の感想です。

 とても読みやすくてスラスラ読めます。第二章までのぼくでも知ってる内容だけじゃなく、第三章が充実していて、門外漢のぼくにとっては名前も知らない新しい研究者が紹介されてて楽しかったです。入門とあってたしかに文章は読みやすく論旨も明快でわかりやすいですが、新書のわりには内容も充実しているので真面目に勉強してみたいと思い始めた大学1、2年生向けって感じでしょうか。おすすめです。
 目次↓

はじめに
哲学思想としてのプラグマティズム/開かれた柔軟な哲学



序章 プラグマティズムとは何か

1 複数の誕生と再生
三つの誕生年/第一・第二の誕生時の反響/第三の誕生と論理実証主義批判/寄り合い所帯の救世主と裏切者/プラグマティズムは焦点なき思想?
2 ジェイムズの考えた「プラグマティズムの意味」
方法から真理論へ/ジェイムズによるプラグマティズムの解説/反デカルト主義と多元主義/複眼的な楕円構造




第一章 源流のプラグマティズム

1 パース
激動する新世界の思想/新しい思想運動/形式論理学における革命/反デカルト主義の哲学/デカルト的懐疑は無意味/コギトとしての私はない/信念と懐疑の連鎖/プラグマティックな格率/明晰さの第三段階/信念の真理化への道/信念確定のスタイル/科学的探求の方法/「共同体の未来」と真理
2 ジェイムズ
パースとジェイムズの違い/心理学から哲学へ/信じようとする意志/信じる権利/信念の真理化/ジェイムズの真理概念への批判/ジェイムズの反論/純粋経験/多元的宇宙論/二十世紀哲学への影響
3 デューイ
プラグマティズム三番目の源流/出発点としてのヘーゲルダーウィン/デューイ哲学の三つのテーマ/哲学史におけるプラグマティズムの意味/近代科学の保守主義/傍観者的知識観への批判/探求の理論へ/探求の結果は客観的な真理か/実験主義と民主主義/生のスタイルとしての民主主義



第二章 少し前のプラグマティズム
1 クワイン
論理実証主義からネオ・プラグマティズムへ/三人の思想家たち/論理実証主義/統一科学と反形而上学論理実証主義と古典的プラグマティズムの相違/クワインの論理学と思想の特徴/経験主義の二つのドグマ/デュエムクワインのテーゼ/プラグマティズムの真理観の再生/根底的翻訳の不確定性/クワイン思想の振幅
2 ローティ
ローティの思想形成/反パース主義/ローティ理論の骨子/反基礎づけ主義・反表象主義/反表象主義/所与の神話批判/客観性とは連帯の別名である/「連帯」概念への批判/自文化中心主義/クーンのパラダイム論/デイヴィドソンの「経験論の第三のドグマ」/ローティとデイヴィドソンの親和性
3 パトナム
変転を繰り返した哲学者/パトナム哲学の骨子/科学的実在論から内在的実在論へ/カントとの共通性/自然的実在論への移行/洗練された素朴実在論・自然的実在論ウィトゲンシュタインとの類似性/言語ゲーム理論/人間の自然的なものの理解能力



第三章 これからのプラグマティズム
1 ブランダム
新しいプラグマティスト/ローティの二分法は誤り/社会的実践への新たな応用/ローティ流プラグマティズム理解からパース再評価へ/ブランダムとマクダウェルの思想的出自/反表象主義の徹底/規範的語用論/推論的意味論/真理をめぐる「代用文」理論/ヘーゲルプラグマティズム
2 マクベスとティエルスラン
パース再評価の潮流/ヨーロッパ系の哲学者たちによるパース評価の高まり/アメリカにおけるパース論理学の評価/数学の哲学への新たな関心/新たな論文集の刊行/パースの数学・論理学の理解/数学論から見る真理の客観性/数学の哲学における「プラトニズム」/プラトニズムのディレンマ/ティエルスランの解釈/仮説形成的推論とは何か/マクベスの解釈/新たな可能性へと開かれた数学的真理/数学的信念の究極の基盤
3 ハークとミサック
二人の女性哲学者/認識論におけるダブル・アスペクト説/認識の正当化は可能か/ミサックによるパースの真理概念再考/ミサックによるパース改訂/パースの格率再考/ロールズ、ローティの自文化中心主義/真理と探求の相補的支持関係/討議的民主主義の哲学的擁護



おわりに
今日のプラグマティズムマクダウェル/プライス/哲学と気質の問題/救世主と裏切者?

プラグマティズム入門のための文献
あとがき

☆☆☆

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