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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

榎本あかまる『たべものけもの』1巻

漫画 榎本あかまる ☆☆

たべものけもの 1 (ゼノンコミックス)

たべものけもの 1 (ゼノンコミックス)

 榎本あかまる『たべものけもの』1巻の感想です。

 本屋で見てかわいい絵柄に惹かれて購入。
 たまごのうさぎ、いくらのねこ、たらこのぶた、などが登場。
 中心人物は小花ちゃん6歳。他に、若い女の先生の視点から語られる話とバイトのダメ男の視点で語られる話もある。
 小花ちゃん視点はいいんだけど、先生とダメ男視点は必要だったのかなあと思った。なんか全体の雰囲気とあってない気がした。もちろんひとつの話として見れば全然ありなんだけど、母子家庭で寂しい幼女と悩める大人の視点って質的に違う気がするので混ぜちゃっていいのかなあと。小花ちゃんだけの視点で貫いて書いていたらいい絵本って感じだったのだけど、余計なものが入ってしまったなと。
 まあ小花ちゃんだけだと世界に広がりが持たせられないので、いろんな人物を描きたかったのかもしれないけど。ある意味で冷蔵庫が主役でもあるので、小花ちゃんのとこの冷蔵庫だけじゃなくて、すべての家の冷蔵庫がこういう奇跡を起こすことがあるんだよ的な、そういうメルヘンなメッセージとしてはありかもしれない。あるいは冷蔵庫主役で貫いていたらそれはひとつの文学になり得るし、アイディアとしては面白いと思った。
 でも個人的にはこういう単純な話で安易に視点を散らすのが好きじゃない(細かいけど、お母さんの心の声を入れるのもちょっと気になった。p.10の「うちの子は『イイ子』だなぁ……」というところなど。ないほうが客観性が保たれ引き締まった洗練された表現になる)。小説とちがって漫画は視覚的な情報量が圧倒的に多いので気軽に多視点やりがちではある。
 Amazonレビュー見たらどうも1巻完結らしい。出会いと別れと成長という感じできれいによくまとまってるし、20ページくらいの短編小説のような話なのでこれで完結でよかったと思う。変に引き伸ばさないのは好印象。
 作者の素晴らしい人柄が伝わってきて読後感はいい。まるまるっとした絵柄はとてもかわいいです。
☆☆