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船木亨 『現代思想史入門』

現代思想史入門 (ちくま新書)

現代思想史入門 (ちくま新書)

 ちくま新書の船木亨 『現代思想史入門』の感想です。

 550ページと新書にしては分厚い本。目次見ておもしろそうだったので読んでみた。最近休日はだらだらして一日が終わってしまうんだけど、久々に有意義な日曜日になったw
 たしかに入門ってことで文章も中身も難しくないので高校生や大学1年生でも読めると思う。でもすでにいろいろ読んでる人が整理のために読むっていうのもありだと思うし、むしろそっちのほうが向いてると思った。
 西洋哲学史の普通の入門書を求めてるなら他の本を読んだ方がいいと思う。この本は生命、精神、歴史、情報、暴力の五つのテーマに分けてそれぞれ見ていくという感じなので、普通の入門書とは書かれ方が違う。ひとつひとつの著作についての説明も少ない。
 この本は立場によって賛否ありそうだけど、個人的にはよかった。
 目次↓

現代思想史キーワード年表


はじめに
今日を読み解く思想/近代の行きづまり/ツリーからリゾームヘ/現代思想の諸地層


序章 現代とは何か
1 近代の終わり
ソーカル事件/思想の難解さ/宴のあと
2 現代のはじまり
時代としての〈いま〉/一九世紀なかばの生活/歴史のなかに入っていく哲学/シェリー夫人の「フランケンシュタイン」/われわれのなかの怪物


第1章 生命――進化論から生命政治まで
1 進化論
生物学と自然科学/ドリーシュの「生気論」/ダーウィンの「進化論」/哲学から科学が独立する/ヘッケルの「系統樹
2 優生学
優生思想/ゴールトンの「優生学」/タブーとなった優生学出生前診断
3 公民権運動と生命倫理
アメリカ公民権運動/フェミニズム生命倫理生命倫理のその後
4 生命政治
医療のアンチ・ヒューマニズムフーコーの「ビオ-ポリティーク」/人口政策/大病院の起源/臨床医学の病気観/政策と産業のための医療/病人の側から見た病院/予防医学/生と統計/死と生/病気における苦痛/フーコーの「狂気の歴史」/健康な精神なるもの/排除と治療
5 トリアージ社会
知と権力の結合/ベンタムの「パノプティコン」/アガンベンの「剥きだしの生」/生命の数/統計的判断の不条理/道徳の終焉/国家と健康/神なき文化的妄信


第2章 精神――宇宙における人間
1 進化論の哲学
スペンサーの「文明進化論」/ジェイムズの「プラグマティズム」/ベルクソンの「創造的進化」/ホワイトヘッドの「有機的哲学」/ビッグバン仮説/宇宙進化論/宇宙と神/歴史は進化の普遍的登記簿に
2 西欧の危機
シュペングラーの「西洋の没落」/フッサールの「西欧的なもの」/新たな哲学へ
3 生の哲学
存在と生/ディルタイの「解釈学」/ギュイヨーの「生の強度」/ニーチェの「ニヒリズム」/神の死
4 人間学
シェーラーの「宇宙における人間の地位」/文化人類学レヴィ=ストロースの「構造人類学」/野生の思考/哲学的人間学
5 実存主義とは何だったのか
有神論と無神論サルトルの「実存主義」/ハイデガーの「アンチ・ヒューマニズム」/存在論的差異/死に向かう存在/存在と言葉/存在か無か/〈わたし〉と〈もの〉/メルロ=ポンティの「両義性の哲学」/進化と宗教


第3章 歴史――構造主義史観
1 歴史の歴史
古代・中世・近代/歴史の概念/ヘーゲルの「歴史哲学」/ポパーの「歴史主義の貧困」/宇宙の歴史と歴史学/ナチュラルヒストリー/存在したもの/普遍的登記簿/歴史とポストモダン
2 現代哲学
哲学の終焉のはじまり/哲学の四つの道/哲学という思想/生か意識か/現象学フッサールの「現象学的反省」/時間性/ベルクソンの「純粋持続」/ドゥルーズの「差異の哲学」/現代哲学の終焉
3 論理実証主義
心理学と心霊学/フレーゲの「意味と意義」/ウィトゲンシュタインの「語り得ないもの」/英米系哲学
4 構造主義
歴史言語学派/ソシュールの「差異の体系」/構造主義の出発/構造主義の三つの課題/ロラン・バルトの「エクリチュール」/構造主義的批評/フーコーの「エピステーメー」/構造主義的歴史/フーコー
5 象徴から言語へ
メルロ=ポンティの「生の歴史」/象徴と記号/フーコーの「人間の終焉」


第4章 情報――ポストモダンと人間のゆくえ
1 ポストモダニズム
建築のポストモダンメルロ=ポンティの「スタイル」/ベンヤミンの「アウラ」/芸術のポストモダン/文学のポストモダン近代文学/映画のポストモダン
2 ポストモダン思想
リオタールの「ポストモダンの条件」/大きな物語/思想のポストモダン/ポスト構造主義デリダの「脱構築」/ロゴス中心主義デリダ=サール論争/前衛とポストモダニスト/状況なるもの/ポストモダン思想のその後
3 情報化社会論
ダニエル・ベルの「イデオロギーの終焉」/アルチュセールの「国家イデオロギー装置」/トフラーの「未来学」/ボードリヤールの「シミュラークル」/道徳と芸術のゆくえ/価値の相対化/マンフォードの「ポスト歴史的人間」
4 世界と人間とメディア
ルネサンス/世界の発見/人間の発見/時計の発明/大衆の出現とマスメディア/大衆社会論/マクルーハンの「メディアはメッセージである」/文明進歩の地理空間/帝国とグローバリゼーション/管理社会論
5 マルクス主義と進歩の終わり
文明の終わり/マルクスの「共産主義革命」/資本主義社会/共産主義社会/歴史の過剰と欠如/人間の脱人間化と世界の脱中心化/サルトルの「自由の刑」/哲学のゆくえ


第5章 暴力――マルクス主義から普遍的機会主義へ
1 革命の無意識
五月革命ライヒの「性革命」/精神分析フロイトの「無意識」/エディプス・コンプレックス精神分析のその後/ラカンの「鏡像段階」/構造化された無意識/どのような意味で構造主義
2 フランクフルト学派
ベンヤミンの「暴力論」/神的暴力/亡命ユダヤ人思想家たち/アドルノとホルクハイマーの「啓蒙の弁証法」/フロムの「自由からの逃走」/マルクーゼの「人間の解放」/資本主義からの逃走
3 アンチ・オイディプス
ドゥルーズガタリの「欲望する機会」/狂人たち/無意識は表象しない/国家/野生と野蛮/資本主義社会/メルロ=ポンティの「現象的身体」/マルクスの「非有機的肉体」/フロイトの「死の衝動」/アルトーの「器官なき身体」/ドゥルーズガタリの「千のプラトー」/自由から逃走へ
4 ポスト・ヒューマニズム
現代フランス思想/ニーチェの「神の影」/機械と人間/カフカの「エクリチュール機械」/自然と文化の二元論/機械としての人間/カンギレムの「生命と人間の連続史観」/機械一元論哲学/ドゥルーズガタリの「普遍的機会主義」
5 機械と人間のハイブリッド
ハラウェイの「サイボーグ宣言」/女性/人間はみな畸形である/ハラウェイの「有機的身体のアナロジー」/機械と生物のネットワーク/死の衝動と生の強度/生の受動性


おわりに
今日の思考/哲学の栄枯盛衰/非哲学の出現/現代哲学から現代思想へ/現代思想の諸断層


あとがき
事項索引
人名・書名索引

☆☆☆