読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

愛してくれてマジ感謝

フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

カサイ『まりまりマリーゴールド』2巻

漫画 カサイ ☆☆☆☆

 カサイ『まりまりマリーゴールド』2巻の感想です(´;ω;`)

 まさかの2巻完結w 突然終わったw しかもあとがきとか作者コメント一切なしw 終わるからこんなにキレイな表紙だったのか! 表紙のイラストはまりしゃんが美少女に見えるw
 2巻は1巻よりわけがわからなかったw どう説明したらいいのかわからない。
 まりしゃんは気が狂っているよ。独特の情緒不安定な乗りがやばい。この作品はまだ人類には早かったのだろうか。でもこういう変な人って通ってた作業所で見たことある。メンヘラには割といる。他人とどこか速度や感情表現が異質というか。
 まりしゃんはコミュニケーション能力のある悪魔的な存在って感じだ。コミュニケーションに伴う狂気。現代はいつでもどこでも他人と繋がれるコミュニケーション過剰の時代だけれども、コミュニケーションの裏側で理解と不理解、共感と反感がせめぎあっていて、ひとはいつでも道化になりうる。笑顔は肯定というよりもやんわりとした受け流しであって、承認は不承認とつねに同居し、それどころか承認というメッセージの明示が不承認を含意するという意識が話し手と受け手に共有されていて、そういう共犯関係において敵意がそこに見えているにもかかわらず保留されて、さしさわりのないやりとりですべてが流れていく。コミュニケーションの致命的な壊滅状態を避けることが至上命令であり、そこにおいて狂気があらわれてくる。まりしゃんは悪魔的な存在の象徴に見えるけれど、人間と悪魔とは連続していて、そこに明確な境界線を引くことはおそらくできない。現代のコミュニケーションに参加するだれもがある程度人間であってある程度悪魔である狂人にならざるをえない。善良な市民、常識人の代表であるいずるちゃんだけど、彼女もまた狂気を持っている。「蟻の回」では別の時空ではあるけれど、それが示されている。まりしゃんもいずるちゃんも似た者同士だということ。というかいずるちゃんのスルー力はすごい。普通こんな部活すぐやめるわw
 ウェーイ語を話す宇宙人たちも狂人と紙一重のところにあって、なんとか決定的な転落を回避しているだけに見える。悪魔的なコミュニケーション強者のまりしゃんと現代においてウェーイ語を話す宇宙人たちとのあいだに質的な違いはない。ウェーイ語を話す宇宙人たちもちょっと歯車が狂っただけで悪魔的存在になりうる。表現は高度に複雑になって本心の探り合いになるし、本心は無限に後退していく。感情や思想がくるくる入れ替わって、大地を見失い漂流することになる。亡霊のようなひとの群れが着地点を見つけようと笑顔でだましあい、肩を叩き合ってお互いの存在を確認する。
 まりしゃんは白痴のこのはや常識人のいずるちゃんを巻き込みながら狂気を見せてくれる。まりしゃんは一緒に遊びたいらしい。一人遊びは絶望でしかなく、まりしゃんはコミュニケーションを求めている。コミュニケーションに対する飢餓感はきっと癒されない。一時的に満たされてもその幸福感は持続しない。だから次へ次へとコミュニケーションを求める。そのために道化になってみせるから本来の人格は剥離していき、魂が宇宙に漂流し、永遠の旅へ出る。死者となったとき、マリーゴールドのように笑っているだろうか。
☆☆☆☆