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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

一ノ瀬正樹『英米哲学史講義』

英米哲学史講義 (ちくま学芸文庫)

英米哲学史講義 (ちくま学芸文庫)

 一ノ瀬正樹『英米哲学史講義』の感想です。

英米哲学の諸潮流は、「経験」を基盤に据えるという発想に導かれている。それは、ロックやヒュームらの「経験論」を共通の源泉とするためだ―。ベンサム、J.S.ミルに発する「功利主義」。フレーゲとラッセルを先駆に、ウィトゲンシュタインクワインをへて現代に連なる「分析哲学」。パースが提唱しアメリカを体現する思想となった「プラグマティズム」。そして、ロールズノージックらの「正義論」。本書は、こうした英語圏の哲学的系譜を、経験論を基点として一望のもとに描き出す。主要哲学のつながりを明快にとらえる、入門書決定版!


 放送大学のテキストを改訂増補したものらしいです。まさに教科書という感じで、軽い新書とは違って読みごたえがありました。まったく知識のない高校生が読むのはちょっときついかな? 後半はちょっと駆け足気味だったかなあという印象。個人的にオースティンやウィリアム・ジェイムズは結構好きです。ロールズはそのうちちゃんと『正義論』読みたいな。クワインも途中で投げちゃったし、読むだけ読まないとなあ。
 以下目次

  まえがき


第1章 経験論の源流
1 主題の概要/2 経験論からの出発/3 知識・行為・人格/4 中世の経験論/5 フランシス・ベーコン/6 トマス・ホッブズ


第2章 ロック哲学の衝撃
1 認識論の誕生/2 観念の方法と生得説批判/3 経験論と知的所有権/4 観念・意識・人格/5 言語のプライベート性/6 知識と確率


第3章 ロックの所有権論
1 自然状態/2 自然法から抵抗権へ/3 労働所有権論/4 ロック的ただし書き/5 貨幣の導入/6 知的所有権の概念


第4章 ジョージ・バークリの非物質論
1 形而上学と認識論のハイブリッド/2 「ペルキピ原理」と非物質論/3 抽象観念批判/4 原因としての精神/5 『視覚新論』の意義/6 「身体」という能動性


第5章 ヒュームの因果批判
1 人間の科学/2 因果関係への問い/3 必然的結合/4 自由と必然/5 デザイン論証/6 ヒュームの道徳論


第6章 ベンサムの思想
1 功利性の原理/2 快楽の計算/3 禁欲主義/4 共感と反感の原理/5 義務論と功利主義/6 刑罰の正当化と死刑論の展開


第7章 ミルと功利主義
1 『論理学体系』/2 因果関係の推定/3 他者危害原則/4 『自由論』の問題と意義/5 質的功利主義/6 功利主義の豊かな可能性


第8章 論理実証主義と言語分析
1 一九世紀ウィーンの経験論/2 ウィーン学団/3 形而上学批判と還元主義/4 センス・データ/5 日常言語の分析/6 行為遂行的発言


第9 論理学の展開
1 ア・プリオリな真理/2 フレーゲの論理主義/3 命題論理/4 述語論理/5 ラッセルのパラドックス/6 嘘つきのパラドックス


第10章 ウィトゲンシュタインの出現
1 異色の哲学者/2 『論理哲学論考』の世界観/3 語りえないもの/4 意味の使用説/5 言語ゲーム/6 規則のパラドックス


第11章 現代の功利主義
1 シジウィックの議論/2 行為功利主義と規則功利主義/3 ヘアの選好功利主義/4 二層理論と測定範囲の問題/5 シンガーと動物解放論/6 パーソンの概念とモラル・ラック


第12章 プラグマティズムから現代正義論へ
1 プラグマティズムの格率/2 アブダクション/3 真理論への拡張/4 民主主義そして連帯へ/5 『正義論』のインパクト/6 リバタリアニズム


第13章 帰納の謎
1 経験に由来する知識/2 ヘンペルのカラス/3 グルーのパラドックス/4 観察可能性/5 反証主義理論負荷性/6 生物学の哲学


第14章 自然主義の興隆
1 規約による真理/2 経験主義の二つのドグマ/3 自然化された認識論/4 行為の因果説と心の哲学/5 自由と責任/6 倫理学の自然化


第15章 認識の不確実性
1 確率と曖昧性/2 二つの確率/3 確率的因果/4 シンプソンのパラドックス/5 条件文と確率/6 ソライティーズ・パラドックス


第16章 ベイズ主義の展開
1 実践的推論/2 義務論理/3 ベイズ的意思決定理論/4 ニューカム問題/5 因果的意思決定理論/6 因果・人格・経験


  索引

☆☆☆