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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

『ベンヤミン・アンソロジー』

哲学 ヴァルター・ベンヤミン ☆☆

ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫)

ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫)

 河出文庫の『ベンヤミン・アンソロジー』の感想です。

危機の時代に必ず甦える思想家ベンヤミン。その精髄を最新の研究をふまえて気鋭が全面的に新訳。「暴力の批判的検討」「技術的複製可能性の時代の芸術作品」(第三稿)「歴史の概念について」など究極のセレクトによる本書は、ベンヤミンの言語、神学的歴史概念、メディアなどの主要テーマをめぐりつつ、その繊細にしてアクチュアルな思考の核心にせまる。ベンヤミンを読むならこの一冊から。



 文学部卒としてちょっと恥ずかしいことかもしれませんが、じつはベンヤミン読んだことなかったんですw 講義では若干聞いたような気がしますが。読もう読もうと思うたびにちくま文庫の『ベンヤミン・コレクション』の分厚さを見て拒絶……w
 でもぼくももうガチでアラサーのおっさん。ヒゲも濃くなってきて、そろそろベンヤミン読まないとなあと思ったわけです。そこでこの河出文庫の『ベンヤミン・アンソロジー』です!
 存在は知ってたんですが、何が入ってるのか知らなかったのでスルーしてました。最近たまたまネットで検索してみたらどうも有名どころが入ってるらしいということがわかって、これは良さそう! と思ったのです。
 目次

言語一般について また人間の言語について
暴力の批判的検討
神学的・政治的断章
翻訳者の課題
カール・クラウス
類似性の理論
模倣の能力について
ボードレールにおけるいくつかのモティーフについて
技術的複製可能性の時代の芸術作品〔第三稿〕
歴史の概念について


訳者解説

 



 タイトルを従来のものから変えているようで、「暴力の批判的検討」は「暴力批判論」、「技術的複製可能性の時代の芸術作品」は「複製技術時代の芸術」のことです。また、「類似性の理論」と「模倣の能力について」はほぼ同じものです。
 個人的に好きなのは「暴力の批判的検討」「翻訳者の課題」あたりかな。「神話的暴力」と「神的暴力」。「純粋言語」。あとは「ボードレールにおけるいくつかのモティーフについて」もまあまあ好き。
 一方で、有名な「技術的複製可能性の時代の芸術作品(複製技術時代の芸術)」はこんなもんかって感じでした。ちなみにこの翻訳では「アウラ」が「オーラ」となっています。ぼくは「『アウラ』が出てくるはずだ!」ってわくわくしながら読んだので、「オーラ」になっててずっこけました(・ω<) まあこの辺の翻訳者の考えについては訳者解説で書かれています。従来の「暴力批判論」「複製技術時代の芸術」というタイトルを変えたのは良かったと思いました。
 ベンヤミンユダヤ教神秘主義の側面があるらしく、カバリストであるぼくとしては結構楽しめました。たった1冊のアンソロジー読んだだけでこういうこというのもあれですが、あまり身構えて読む必要もないと感じました。こういう文章をはてなのブログで気軽に読めたり書いたりしたらいいんですけどね。まあ実現はなかなか難しいかな。
 ベンヤミン最初の1冊ということでおすすめです。ちくま文庫の『ベンヤミン・コレクション』全7巻に圧倒されてためらっているひとはこの本から始めるといいかもしれませんね。岩波文庫にもあるみたいですが2冊なので、河出文庫のこっちのほうが手軽です。
☆☆

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