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ジル・ドゥルーズ『スピノザ 実践の哲学』

スピノザ―実践の哲学 (平凡社ライブラリー (440))

スピノザ―実践の哲学 (平凡社ライブラリー (440))

 ジル・ドゥルーズスピノザ 実践の哲学』の感想です。

大切なのは単なる理論でも実践でもない。概念の発明と情動の開放とを結びつけること。生の総体を自由な出会いと相互触発へと促してやまないスピノザからの力強い風。94年刊に付論、年譜・書誌を加筆。

 



 ドゥルーズによるスピノザの入門書、教科書的なものです。ドゥルーズによるカントはコスパがよくておすすめできるし、ドゥルーズによるニーチェは圧倒的に面白いのでおすすめなんですが、それと比べるとこのスピノザは用語解説メイン(第四章)になっているためすこし物足りない感じがしました。でもやっぱり読んでよかったです。
 以下目次

第一章 スピノザの生涯
第二章 道徳と生態の倫理のちがいについて
第三章 悪についての手紙(ブレイエンベルフとの往復書簡)
第四章 『エチカ』主要概念集
第五章 スピノザの思想的発展(『知性改善論』の未完成について)
第六章 スピノザと私たち



 書誌
 原注
 訳者あとがき
 平凡社ライブラリー版 訳者あとがき
 付論
 ジル・ドゥルーズ年譜・書誌

 



 構成はこのようになっていますが、第6章の終わりがp.251で、そのうち第4章がp.80からp.218ということで、ここがこの本のほとんどになります。
 第6章がよかったです。短いですが、ドゥルーズらしいですね。
 メモ

私たちは、ひとつの体を構成している微粒子群のあいだに成り立つ速さと遅さ、運動と静止の複合関係の総体を、その体の〈経度〉と呼ぶ。ここにいう微粒子(群)は、この見地からして、それら自身は形をもたない要素(群)である。私たちはまた、各時点においてひとつの体を満たす情動の総体を、その体の〈緯度〉と呼ぶ。いいかえればそれは、〔主体化されない〕無名の力(存在力、触発=変様能力)がとる強度状態の総体のことである。こうして私たちはひとつの体の地図をつくりあげる。このような経度と緯度の総体をもって、自然というこの内在の平面、結構の平面は、たえず変化しつつ、たえずさまざまの個体や集団によって組み直され再構成されながら、かたちづくられているのだ。
(pp.245-246)

スピノジストとはむしろ、ヘルダーリンであり、クライスト、ニーチェである。彼らは速さと遅さ、緊張症的凝固と高速度の運動、形をなさない要素群、主体化されない情動群をもって思考しているからだ。
(p.248)

☆☆