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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

ニーチェ『悲劇の誕生』

悲劇の誕生 (岩波文庫)

悲劇の誕生 (岩波文庫)

 ニーチェ『悲劇の誕生』の感想です。

ニーチェ(1844‐1900)の処女作。ギリシャ文明の明朗さや力強さの底に「強さのペシミズム」を見たニーチェは、ギリシャ悲劇の成立とその盛衰を、アポロ的とディオニュソス的という対立概念によって説いた。そしてワーグナーの楽劇を、現代ドイツ精神の復興、「悲劇の再生」として謳歌する。この書でニーチェは、早くも論理の世界を超えた詩人の顔をのぞかせる。

 



 ニーチェの処女作で、ドゥルーズがよく言及する『悲劇の誕生』。読んでなかったので読んでみました。なるほど、これは面白い本ですな(*´▽`*)
 アポロ的とデュオニュソス的。ソクラテス的=理論的楽天主義者との対立。解説によるとソクラテスエウリピデスの関係などどうもトンデモ本らしいのですが、まあこれはこれで。面白いからOKってことで。学問としてはどうかという視点はあるでしょうけど、ぼくは哲学書などは詩として読んでいるのでOKです。手探りでやってるワナビや「どれも所詮娯楽だろ」なオタクなどにも広く読んでもらいたいです。
 メモ

古代の悲劇は、知識ならびに科学の楽天主義に対する弁証法的衝動によって、その軌道から押し出されてしまったのであるが、われわれはこの事実から、理論的世界観と悲劇的世界観が永遠に戦うものであるという結論を引き出すことができよう。そして、科学の精神がその限界まで導かれ、その普遍妥当性に対する要求が、あのさまざまな限界を指摘されることによって通らなくなった時はじめて、悲劇の再生は期待できることになろう。
(p.186)

すなわち、オペラのうちにも、神話を失ったわれわれの生活の抽象的性格のうちにも、つまり、娯楽に堕した芸術のうちにも、概念によって導かれる生活のうちにも、ソクラテス楽天主義のあの非芸術的であると同時に生をむしばむ性質が、その正体を暴露してきていたのである。
(p.260)

 



 以下目次

 自己批評の試み(一八八六)
音楽の精髄からの悲劇の誕生(一八七〇―七一)
 リヒァルト・ワーグナーにあてた序言(一八七一)
 一 アポロ的夢幻とディオニュソス的陶酔
 二 ディオニュソス的ギリシア人
 三 アポロ的文化の基底
 四 アポロ的・ディオニュソス的なギリシア文化の推移
 五 抒情詩人の解釈
 六 詩と音楽との関係
 七 悲劇合唱団の起源
 八 サチュロスと演劇の根源現象
 九 ソフォクレスアイスキュロス
 一〇 悲劇の秘教
 一一 悲劇の死とエウリピデス
 一二 エウリピデスの美的ソクラテス主義
 一三 ソクラテスの主知的傾向
 一四 ソクラテスプラトン
 一五 理論的人間と悲劇的認識
 一六 音楽と悲劇的認識
 一七 理論的世界観の芸術的現象
 一八 アレクサンドリア的文化
 一九 楽天主義的オペラ文化と悲劇の再生
 二〇 現代文化の様相
 二一 ワーグナーの楽劇
 二二 芸術としての音楽的悲劇と美的聴衆
 二三 ドイツ神話の再生
 二四 音楽の不協和音
 二五 不協和音の人間化


 訳注
 解説

☆☆☆