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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

冨田恭彦『ローティ 連帯と自己超克の思想』

ローティ: 連帯と自己超克の思想 (筑摩選書)

ローティ: 連帯と自己超克の思想 (筑摩選書)

 冨田恭彦『ローティ 連帯と自己超克の思想』の感想です。

プラグマティズムの最重要な思想家として、いま再び注目を集めるリチャード・ローティ。その政治的・社会的言説は、『哲学と自然の鏡』等の論著が提示する近現代哲学批判と通底している。彼の哲学は、絶対的真理にすがろうとする「客観性志向」を思考停止として疑問視し、自らを乗り越えていくための力として言語を捉え直した。ローティ個人と最も密接に交流のあった著者が、多面的な思想を平易明快に解説し、哲学史の系譜のなかで一つの筋へと繋げて見せる、決定版解説書。

 



 最近とても気分が悪くて死にそうなので軽く読めるものを読もうということで選択(´・ω・`)
 小学生に語りかけるような文体でかなり平易に書かれています。リチャード・ローティのことが死ぬほどよくわかります。よくわかるんですが、べつに面白くはないかなあと思いました。だからなんだと。でも現代の日本人なら多くの人が共感するかもしれません。ぼくも共感はしました。ただ読み物として面白くなさそうだなあというだけで。冨田さんの文体がくだけすぎているせいもあると思うので、実際にローティの著作読んでみないとあれですが……。
 冨田さんは実際にローティと交流があったらしく(ローティp.296やクワインp.159と一緒にとった写真とか出てきますw すげー)、大好きなローティを日本の若い読者にできるだけわかりやすく伝えようっていう意志が伝わってきました。それについては成功していると思います。
 手っ取り早くリチャード・ローティの全体像を知りたい人におすすめ。
 以下目次

  はじめに



第1章 生涯(1931年〜2007年)
  父母/トロツキー/社会正義・野生の蘭/絶対的なもの/ハチンズ・カレッジ/シカゴ時代/ローティの視線/博士課程/イェール/分析哲学へ/兵役/ウェルズリー・カレッジ/プリンストン大学/1960年代/論集『言語論的転回』/『哲学と自然の鏡』/ハイデッガーヘーゲルバージニア大学で/最後のメッセージ



第2章 言語論的転回
  ローティと分析哲学/言語論的転回/ラッセル/言語の見かけの構造と論理的構造/記述理論/感覚与件(センス・データ)/論理的固有名/感覚与件言語/感覚与件と物――論理的構成体/ヴィトゲンシュタイン/言語批判としての哲学/ムーア/エルンスト・マッハ/モーリッツ・シュリックウィーン学団/方向転換I――意味規準/方向転換II――プロトコル文とノイラートの船



第3章 自己解体
  ローティに戻って/後期ヴィトゲンシュタイン言語ゲーム/治療的哲学観/『言語論的転回』序文/ベルクマンにとっての言語論的転回/語ることと、語ることについて語ること/言語論的哲学の思い込み/ベルクマンの考え/方法論的唯名論/日常言語哲学/結論/回顧/唯名論再考/言語論的転回と認識論的転回/言語の偏在性と言語論的転回の解体/「知識の観衆説」と視覚的比喩/「ヴィトゲンシュタインと言語論的転回」/ヴィトゲンシュタインの重要性



第4章 自然の鏡に抗して
  自然の鏡/永遠の問題?/われわれの鏡のような本質/デカルトの「心」/心の発明/対蹠人/直観の歴史的起源/近代認識論/ロック批判/カント批判/クワイン/セラーズ/観察の理論負荷性/特権的知識と認識論/通常の語りと異常な語り/鏡なしの哲学



第5章 連帯・語彙・ハイデッガー
  客観性か連帯か/民主主義/連帯としての科学/自文化中心主義と歴史主義/相対主義との誤解/語彙の複数性/科学の語彙/言語の成長点としてのメタファー/禁断の木の実/ヴィトゲンシュタインハイデッガー・デューイ/ハイデッガー/『存在と時間』/ケーレ/数学的なもの/神の目からの眺め/思索と詩作/詩と政治



第6章 ロマン主義的感性
  なぜロマン主義なのか/古代の「巨人」/パルメニデスソクラテスプラトンイデア論/洞窟の比喩/魂の三つの部分/哲学と詩作/理性と恒常不変の真理/理性主義/ロマンス諸語/古典主義とロマン主義ワーズワースとコウルリッジ/自然の中の神的なもの/想像力――ワーズワースの場合/想像力――コウルリッジの場合/シェリーと「詩の擁護」/「プラグマティズムロマン主義」/真理の対応説/批判的検討/《実在》へのこだわりと「デカルト的不安」/理性再考/想像力再考/エマソンニーチェニーチェエマソン



第7章 社会正義
  社会的不正義との戦い/マルクス改良主義的左翼としてのローティ/アメリカの「本質」と二つの自己イメージ/解釈学的存在/創造性と希望



  あとがき

☆☆