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フィギュアレビュー、本・漫画の感想など

『パウル・ツェラン全詩集(改訂新版)第I巻』

パウル・ツェラン ☆☆☆☆☆

パウル・ツェラン全詩集 第?巻

パウル・ツェラン全詩集 第?巻

パウル・ツェラン全詩集(改訂新版)第I巻』の感想です。

象徴主義シュルレアリスムの流れに立ち、ユダヤ人としてナチズムの惨禍、スターリニズムの傷痕を心の奥深くに宿しながら、現代詩人の命運を生き、自死した、パウル・ツェラン、本邦初の個人完訳全詩集。

 



 この本は『罌粟と記憶』『敷居から敷居へ』『言葉の格子』『誰でもない者の薔薇』の四つの詩集の翻訳です。
 すごすぎて圧倒されましたよ、これは。いままで読んできた小説や詩は一体何だったんだって、ほかのものがすべて無価値になってしまうくらいの……。基本的にぼくは一部の詩人のものを除いて詩がよくわからない人間だったんですが、ツェランの詩はぼくにとってすごく説得力があるというか。すべてがわかっているわけではないんですが、沁みました。死や夜という語がよく出てきてなじみます。
 全詩集のドイツ語原書も買ってあるし、ツェランは死ぬまでに何度も読むことになると思います。とりあえずつぎはII巻読みます。
 参考に『誰でもない者の薔薇』からひとつ↓

葡萄酒と孤独のもとで、その
ふたつともが終わりかけているときに――
 
ぼくは雪のなかを駆けた、聞こえるか、
ぼくは神に乗って遠くへ駆けた―近くへ、神は歌った、
それは
いくつもの人間-ハードルを越えていく
ぼくたちの最後の騎行だった。
 
それらは身をかがめた、
ぼくたちを自分のうえに聞くたびに、それらは
書いた、それらは
偽って ぼくたちの嘶きを
自分たちの挿絵で飾られた言葉の
ひとつに書換えた。
(pp.347-348)

☆☆☆☆☆

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