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『ヘルダーリン全集2 詩II(1800〜1843)』

ヘルダーリン全集〈2〉詩2(1800‐1843)

ヘルダーリン全集〈2〉詩2(1800‐1843)

ヘルダーリン全集2 詩II(1800〜1843)』の感想です。

 全集の2巻。こちらは1800年以降のものです。ヘルダーリンの詩が頂点に達したのは1800年から1804年くらいにかけての時期で、1806年には精神病院に入って、1807年からはツィンマーの家にうつり、その後1843年に亡くなります。というわけで、この2巻ではヘルダーリンがその詩において頂点まで行って、そこから亡くなるまでの40年間を見渡せるわけです。
 断片や草案が収録されていて、その部分はうーんよくわからんなという感じもあったのですが(訳者が意味不明と言っている箇所もある)、あまり期待してなかった最後期の詩が割とよかったです。「春」、「夏」、「秋」、「冬」というタイトルの短い詩がいくつも出てくるんですが、静謐な優しいまなざしで満ちていて、それはどこか生者を超越したところから眺めているような感じでした。なんとなく印象に残ったのは、「スカルダネリ」と署名された「時の霊」という詩で、

人間はこの世界において生と結ぶのだ、
歳月は移り 時代は高みをめざし
変遷はつづく、それに従っていまもなお見出される多くの真がある、
こうして持続が多様な歳月をつらぬくのだ、
完全はこの生において結実し
人間の高貴な努力はこの生に随順する。
(p.354)

 



 あと、キリストと神々の宥和を歌ってる部分についてはかなり共感しました。詩人の役割とかも。




 とりあえずヘルダーリンを読みたいってひとはこの全集じゃなくて岩波文庫でいいと思います。詩は読むのにかなり体力を消耗するので全集はなかなかヘヴィです。

ヘルダーリン詩集 (岩波文庫)

ヘルダーリン詩集 (岩波文庫)




 原書は以下のものを買いました。詩は原文読まないとどうしようもないところがあるのでいずれドイツ語勉強して読みたいです。

Gedichte: Text und Kommentar

Gedichte: Text und Kommentar

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