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ニコラウス・クザーヌス『光の父の贈りもの』

光の父の贈りもの (アウロラ叢書)

光の父の贈りもの (アウロラ叢書)

 ニコラウス・クザーヌス『光の父の贈りもの』の感想です。

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 訳者注がメインの本です。本編はp.52までで、あとは訳者注と解説です。正直言って、研究者でもない一般人にとってこの本はあまり優先順位は高くないと思います。短いですし、これを読んだからといってどうということもないというか。印象に残ったのは、

さて、言表されえない神についてこのように語ることは、すべての言葉と沈黙とを超えるところ――沈黙することが語ることであるところ――に存在する言葉を使用して語ることであるがゆえに、この言表はこの世界についてではなく永遠の王国に属する。それゆえ、知解内容を私たちがこの世界において伝達するとき、使徒ヤコブ)は、変転と影のうつろいとが父である神に合致することを否定する。なぜなら、彼(父である神)は永遠な光であり、そこにはどんな闇も存しないからである。
(p.36)

 



 この部分で、「沈黙することが語ることであるところ」という表現は面白いなと思いました。沈黙することが語ることであるところに存在する言葉。まさにそれは詩の言葉ですよ。我々の生きている時間の経過するこの物質世界ではなく、永遠の王国に属する語り。ただ、ぼくたち人間は肉を持った存在である以上、どうしても「いま・ここ」から始めなければいけません。理性と狂気の狭間で、いかにして詩人になりうるか。これはぼくにとって小学生の頃からの大問題でもあります。
☆☆