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おすすめの面白い本ベスト50を小説家志望が紹介します!――平成ラストバージョン

 昨日今日で以下の記事が人気になってました。で、ぼくも書いてみようかなと思ったので書いてみます!
www.myworldhistoryblog.com

 実は以前も書いたことがありました。
unnamable.hateblo.jp




 そのとき作ったリストを今見返してみるとちょっと違和感があるというかしっくり来ないというか、古典文学中心にまとめたのでワナビ的には基本的すぎて面白みに欠けるかなあと。まあ好みや考えというのは時間が経つと変わるものなので当然だとも思いますが。あれからほとんど本読んでませんが、平成の締めくくりとしておすすめ本リストを最新バージョンにアップデートするのも面白いかなと(ブログのネタがないだけです)。例によって感想は超テキトーなので参考にはなりません。うちはアフィブログじゃないので別に買わせようとは思ってなくて、ぼくと好みが似てる人がこのリストを発見して何か少しでも参考にしてもらえたら嬉しいという感じです。




 他に目的としてはぼく個人を形成した本のリストを作って客観視してみるということです。小さい頃のトラウマを抱えて成長し、結局解決できずに精神を病み、留年しながらなんとか文学部を卒業、その後引きこもり、いつの間にか精神障害者になり、障害者枠で働き始めて年収100万強……いつの間にか絶望の30代に突入して早くも数年……そんな状況です(´・ω・`) いろいろ読みたいものがあったから死ななかったとも言えますし、読んだからますます死にたくなったとも言えますし、まあ人生うまい具合にはいきませんな。




 ランキングではありません。ただ、最後にいくつかの観点からそれぞれピックアップして紹介します。
 ひとりの著者につき本はひとつに絞りました。そうでないとお気に入りの著者の本を多数紹介することになってしまうので。



1. 『差異と反復』

 大好きな本。最近電子書籍で買ったので電車移動のときにスマホで読んでます。思い出補正かなと思ってましたが、やっぱり面白いですね。すぐに時間が経つので移動もそんなに苦じゃなくなりました。いきなりこれを読んでくださいと言ってもまとまった時間がないとややきついかもしれません(学生はぜひ!)。「なんでもいいからドゥルーズを読んでみたい!」という人には『ニーチェと哲学』(河出文庫)をおすすめします。読みやすいのがいいという人はガタリとの共著『千のプラトー』(河出文庫)をおすすめします(全3巻ですが)。『千のプラトー』は『アンチ・オイディプス』(河出文庫)とは違ってエッセイ風というかかなり読みやすいです。『千のプラトー』に関しては気になるところだけつまみ食い的な感じでもOKです。

差異と反復〈上〉 (河出文庫)

差異と反復〈上〉 (河出文庫)

差異と反復〈下〉 (河出文庫)

差異と反復〈下〉 (河出文庫)



2. 『道徳と宗教の二源泉』

 ぼくはベルクソンに多大な影響を受けていますが、そのベルクソンの中で一番好きなのがこの本です。個人的にはベルクソンはどれも必読と言いたいですが、難しいのは『物質と記憶』なのでまずはそれ以外を読んでみるといいかもしれません。『道徳と宗教の二源泉』は図式的というかかなり読みやすいです。「とりあえず簡単にベルクソンに触れてみたい!」という人には『思想と動くもの』(岩波文庫)(『思考と動き』(平凡社ライブラリー)、『思考と動くもの』(白水社))をおすすめします。『思想と動くもの』は著者自身によるベルクソン哲学入門的な感じで哲学のエッセンスを含みながらもかなり読みやすい本となっています。

道徳と宗教の二源泉 (岩波文庫)

道徳と宗教の二源泉 (岩波文庫)



3. 『全体性と無限』

 レヴィナスは代表作のこれが今のところ一番好きですね。レヴィナスは説教くさいと感じて若い頃は好きじゃなかったんですが、だんだん自分がレヴィナス的にものを考えているのかもしれないと思うようになってきました。『全体性と無限』はデリダに批判され、その後発表されたのが『存在の彼方ヘ』(講談社学術文庫)です。したがって『存在の彼方ヘ』の方が重要だとは思いますが、個人的には『全体性と無限』が好きなんですよね。好きなんだからしょうがないです。去年は「叢書・ウニベルシタス」のレヴィナス本をまとめ買いしました。

全体性と無限 (上) (岩波文庫)

全体性と無限 (上) (岩波文庫)

全体性と無限〈下〉 (岩波文庫)

全体性と無限〈下〉 (岩波文庫)



4. 『声と現象』

 文庫で読めるデリダデリダも読まなきゃと思って本はいくつか買ってはあるんですがなかなか手が出せていません。その中でこの本は文庫1冊という手軽さ! しかも整然としているというか、かなり読みやすいです。読みやすいですが、しっかり読みごたえもあり、充実の読書体験ができます。

声と現象 (ちくま学芸文庫)

声と現象 (ちくま学芸文庫)



5. 『見えるものと見えざるもの』

 メルロはまず『知覚の現象学』を読むべきでしょうか。でも結構地味な感じの本で厚みも割とあり、「この本面白いよ!」とはちょっと言いにくいかなと。一方、ファッション感覚で読んでも楽しめそうなのが『見えるものと見えざるもの』です。メルロの哲学は語用論やってた自分には結構しっくり来るところがあります。

見えるものと見えざるもの 〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス)

見えるものと見えざるもの 〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス)



6. 『意志と表象としての世界』

 仏教やインド哲学好きな人にもおすすめできる西洋哲学です。日本人にはわりと馴染みやすいかもしれないので西洋哲学への入り口としてもありかなと思います。



7. 『悲劇の誕生

 ニーチェはどれを選ぶかでその人の性格等がわかってしまう気がしますが、ぼくは1冊選ぶなら『悲劇の誕生』かなあ。というのもまあドゥルーズの影響なのですが。『善悪の彼岸』と『道徳の系譜』と『ツァラトゥストラ』は読んでるけど他に何読んだらいいかわからないって人はとりあえず『悲劇の誕生』がいいと思います。ちなみに『悲劇の誕生』がニーチェの第1作です。

悲劇の誕生 (岩波文庫)

悲劇の誕生 (岩波文庫)



8. 『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学

 フッサールによるフッサール哲学つまり現象学のまとめ的な本。フッサール現象学を理解したいなら現象学入門やフッサール入門を読むのではなく、フッサール自身が書いたこの本が圧倒的におすすめです。フッサール以上にフッサールをわかりやすく書ける人がいないのかな。この本は物語として読んでも感動的であります。個人的には理系の人にこそ読んでもらいたい本です。何か考えるきっかけになれば。まあ怒っちゃう人も多いかもしれませんが。

ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学 (中公文庫)

ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学 (中公文庫)



9. 『デリダ 脱構築と正義』

 デリダの入門書。ぼくは基本的には入門書的なものはつまらないのでおすすめしないのですが、この本はかなりコスパがいいと感じたので挙げておきます。デリダの著書はどれも分厚く、一通り読むだけでとても大変ですが(ぼくもまだ読んでませんし)、この入門書で圧倒的にデリダ哲学のことがわかった気になれます! まあもちろんわかった気になっているだけなので、詳しいところはやはりそれぞれ読むしかないのですが。



10. 『クワインホーリズムの哲学』

 クワインの入門書。入門書なんですが、これは必読だと思います! わかりやすくて面白くてためになります。クワインは『ことばと対象』しか読んでませんが、正直言ってこの入門書の方が楽しかったです。詳しい論理展開などを確認したい人はクワインの著作を読むべきですが、まあ専門的に学びたいというほどでないならこれで十分かと。

クワイン―ホーリズムの哲学 (平凡社ライブラリー)

クワイン―ホーリズムの哲学 (平凡社ライブラリー)



11. 『言語と行為』

 超重要著作の一つだと思います。しかも、なんとオースティンのこの本が最近文庫化されました! いろいろ語る上でこの本を読んでることは当然前提となるので、読んでないと話になりません。でも単行本高いしなあ……と言う人もいたでしょう(全然高くないですがw)。ここにきて講談社学術文庫に入りましたよ! これはすごいです! 事件です! 読んでみると「なんだこんなもんか」と思うかもしれませんが、とりあえず基礎教養として読んでおくことをおすすめします。

言語と行為 いかにして言葉でものごとを行うか (講談社学術文庫)

言語と行為 いかにして言葉でものごとを行うか (講談社学術文庫)



12. 『関連性理論―伝達と認知』

 オースティンの方がはるかに重要ですが、語用論に興味ある人はぜひ。ぼくにとっては原書で読んだ思い出深い本。語用論的な考え方は他のジャンルでもいろいろ見かけて、読んでよかったなと年をとるたびに感じます。まずはオースティンの『言語と行為』を読んで、気が向いたらついでにこれも読んでみてください。(オースティンは必読ですが、まあこちらはそれほどでもありません。)

関連性理論―伝達と認知

関連性理論―伝達と認知



13. 『認知意味論』

 認知言語学の教科書的なもの。認知言語学はレイコフなども読もうと思って全然読んでないです(´・ω・`) なんで読む気が起きないかっていう言い訳をすると、この本でもう十分わかった気になってしまったからです! もちろん最新の研究はどんどん進んでるんでしょうけど、まあぼくは専門家ではないので。

認知意味論 (シリーズ認知言語学入門 (第3巻))

認知意味論 (シリーズ認知言語学入門 (第3巻))



14. 『永遠平和のために/啓蒙とは何か』

 カントといえば『純粋理性批判』とかですが、いきなり読んでもたぶん挫折する人が多いと思います。一方、この本は薄くて読みやすいし、大学生以上なら文学部に限らず基礎教養として読んでみてほしいです。高校生でも普通に読めると思います。

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)



15. 『人間不平等起源論』

 ルソーは『社会契約論』が有名ですが、『人間不平等起源論』なら中高生でも楽しく読めると思います。ほんとに平易な本なので気軽に読んでみてほしいです。

人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫)

人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫)



16. 『社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」』

 ぼくが人生ではじめて読んだちょっと難しい系の本。当時はかなり夢中になって読みました。今思うと大したことないと思うかもしれないですが、大したことがないと思えるほどに基礎的なものなのかもしれません。ヴェーバーといえば『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』ですが、ぜひこちらも読んでみてほしいです。というか、個人的にはこっちの方が重要だと思ってます。

社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」 (岩波文庫)

社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」 (岩波文庫)



17. 『啓蒙の弁証法―哲学的断想』

 思い出の1冊。ぼくが古典文学読むようになったのはこの本で『オデュッセイア』が出てきたからです。ただ、最近はヤスパースを調べていたらアドルノナチスに加担した人間だと知って読む気なくしました。でもこの本は読んだ方がいいと思います。ちなみにぼくは今ハイデガー読んでます。ハイデガーナチスの関係は有名ですよね。正直言ってこういうエピソード知っちゃうとねえ……。本は面白くても尊敬はできないかなあ。

啓蒙の弁証法―哲学的断想 (岩波文庫)

啓蒙の弁証法―哲学的断想 (岩波文庫)



18. 『危険社会――新しい近代への道』

 悲しいことにこの本は今となってはとくに日本人にとって必読書だと思います。個人的には義務教育で取り上げるべきとすら思っています。専門書というより実用書に近い感覚かな。こういう考えに触れたことがない、あるいは自分で考えたこともないまま現代を生きていくのは無謀だと感じます。といってもこういう本を買って読む人はまだまだ少ないです。日本の教育は詰め込み暗記教育ばかりで大切なことを教えていないと思います。それは誰にとって都合がいいんでしょうか。

危険社会―新しい近代への道 (叢書・ウニベルシタス)

危険社会―新しい近代への道 (叢書・ウニベルシタス)



19. 『社会学の考え方〔第2版〕』

 バウマン社会学はこれしか読んでないのですが、とても共感できました。いくつかの概念が登場しますが、そういう概念を知っているのと知らないのとでは世界の見え方が変わってくると思います。この本は入門書なので高校生から他学部の学生、勉強したい社会人にもおすすめです。

社会学の考え方〔第2版〕 (ちくま学芸文庫)

社会学の考え方〔第2版〕 (ちくま学芸文庫)



20. 『オートポイエーシス―生命システムとはなにか』

 ルーマン社会学を読むなら必須というか、これを知らないとどうしようもないでしょう。この本自体は理系向けなのかな? でも文体がかなり面白いです。なんだかわからないけど「オートポイエーシス」って名前がかっこいい! と思った人は読んでみてください。

オートポイエーシス―生命システムとはなにか

オートポイエーシス―生命システムとはなにか



21. 『社会的なものを組み直す アクターネットワーク理論入門』

 最近読んだラトゥールの本。こちらはタイトルの通り入門書的なものです。したがってかなりフランクな文体というか、エッセイみたいな感じになってます。センスのないメタファーにいらいらさせられますが、語られていることは重要だと思いました。ちなみにラトゥールに影響を受けたらしいのが思弁的実在論のグレアム・ハーマンらしいのですが、ハーマンはつまらなかったです(哲学はこれからどうなっていくんだろう)。でもラトゥールは読む価値があると感じました。ちなみにラトゥールはみんな大好きなブルデューを批判しています。ルーマンも批判されています。

社会的なものを組み直す: アクターネットワーク理論入門 (叢書・ウニベルシタス)

社会的なものを組み直す: アクターネットワーク理論入門 (叢書・ウニベルシタス)



22. 『パウル・ツェラン全詩集』

 衝撃を受けました。もはやぼくが小説を書く意味がなくなりました。と同時に小説というものに興味が失せたのもこの詩集を読んだためです。これを読んでなお自分も芸術家としてやっていこうと思えるかどうか。ぼくはまだそのレベルにないですね。哲学書なんかよりはるかに難しいので万人向けではないですが、これを読める人生というのは充実したものだと思います。ちなみにドイツ語の原書も買いました。興味のある人はじっくり腰を据えて取り組んでもらいたいです。気軽に読む本ではないです。ぼくもまだ全然読み込んでないですが、これからの人生で何度も向き合うことになるでしょう。

パウル・ツェラン全詩集 第?巻

パウル・ツェラン全詩集 第?巻

パウル・ツェラン全詩集 第?巻

パウル・ツェラン全詩集 第?巻



23. 『リルケ詩集』

 リルケは他に簡単に手に入るもので『ドゥイノの悲歌』もありますが、個人的には岩波文庫の『リルケ詩集』がおいしいとこ取りな感じでおすすめです。

リルケ詩集 (岩波文庫)

リルケ詩集 (岩波文庫)



24. 『ヘルダーリン詩集』

 ヘルダーリンは全集も読みましたが、岩波文庫の『ヘルダーリン詩集』は名作が効率よく並んでいてとても素晴らしい読書体験ができます。本格的に読みたい人はもちろん全集ですが、そうでないなら岩波文庫でいいと思います。コンパクトな本ですが、ヘルダーリンの良さや感動は十分わかると思います。

ヘルダーリン詩集 (岩波文庫)

ヘルダーリン詩集 (岩波文庫)



25. 『弓と竪琴』

 オクタビオ・パスの詩論。パスの詩はあまり興味がないのですが、詩論は面白かったです。文庫ですが割と厚めの本です。とても強いエネルギーを感じる本です。若いうちに読めば感動するのではないでしょうか。

弓と竪琴 (岩波文庫)

弓と竪琴 (岩波文庫)



26. 『来るべき書物』

 ブランショの批評集。面白いのもあればつまらないのもあるのですが、とにかく本格的に文学をやるつもりなら必読といっていいでしょう。

来るべき書物 (ちくま学芸文庫)

来るべき書物 (ちくま学芸文庫)



27. 『いにしえの光〈最後の王国2〉』

 キニャールのエッセイ。キニャールレヴィナスのもとでベルクソンを勉強していたらしいです。このエッセイからは強くベルクソン的なものを感じます。このエッセイのシリーズは現在も続々と刊行中です。今のところ、個人的にはこの本が哲学エッセイ風で一番好みです。キニャールはちゃんとわかってる作家なんだなあととても共感します。ちなみにキニャールの小説はあまり好みではなかったりします。そこがまた不思議。



28. 『ベンヤミン・アンソロジー

 ベンヤミンちくま学芸文庫から『ベンヤミン・コレクション』という長大なのが出てますが、河出文庫のこちらは重要テクストをまとめてあって便利です(岩波文庫よりさらにコンパクト!)。ちなみに有名な「アウラ」がこの本では「オーラ」となっていますので注意。個人的には「暴力批判論」を読んでほしいです(この本では「暴力の批判的検討」となっています)。

ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫)

ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫)



29. 『エネアデス(抄)』

 3世紀の哲学者プロティノスネオプラトニズムということですが、図式的にはカバラに似てるなあと思いました。こういうのを原文で読めたら楽しいのでしょうね。もちろんプラトンの方が重要ですが、個人的にはこっちの方が面白く読めると思いました。

エネアデス(抄)〈1〉 (中公クラシックス)

エネアデス(抄)〈1〉 (中公クラシックス)

エネアデス(抄)〈2〉 (中公クラシックス)

エネアデス(抄)〈2〉 (中公クラシックス)



30. 『神の慰めの書』

 キリスト教神秘主義の代表格。この本はシンプルにまとまっています。1万円超える本も買ってあるんですがまだ読んでません。たしか古井由吉エックハルトを読んでいた時期があったような。

神の慰めの書 (講談社学術文庫)

神の慰めの書 (講談社学術文庫)



31. 『学識ある無知について』

 こちらもキリスト教神秘主義の代表格。哲学的なエッセンスがまとまっています。重厚な哲学書読んでも何が書いてあるかわからないという人はこういう本から読んでいくのがおすすめです。

学識ある無知について (平凡社ライブラリー)

学識ある無知について (平凡社ライブラリー)



32. 『柘榴の園』

 カバラ関連の魔術書。タロットやってる人は読んだことあると思います。ぼくはこれで目が覚めました(意味深)。神学的、哲学的なエッセンスを含むものです。こういう魔術書読んでから哲学書読むみたいな感じでもいいと思います。

世界魔法大全3 柘榴の園

世界魔法大全3 柘榴の園



33. 『神秘のカバラー』

 こちらもタロット関係で必読の本。単なるお遊びとしてタロット占いをするためには必要ないですが、哲学的な瞑想としてやるなら必読です。ちなみにぼくがタロットを始めたのはカルヴィーノの『宿命の交わる城』を読んだのがきっかけです。あまり関係はないですが。

神秘のカバラー

神秘のカバラー



34. 『オデュッセイア

 これは『イーリアス』と一緒に基礎教養として読んでおく必要があります。必読書です。読むかどうか考える必要はなく、読まなければ仕方ありません。聖書よりこっちを優先すべきです。

ホメロス オデュッセイア〈上〉 (岩波文庫)

ホメロス オデュッセイア〈上〉 (岩波文庫)

ホメロス オデュッセイア〈下〉 (岩波文庫)

ホメロス オデュッセイア〈下〉 (岩波文庫)



35. 『変身物語』

 これも必読書です。読むかどうか悩む必要はありません。とりあえず読んでください。面白いとか面白くないとかそういう次元の問題ではないんです。知らないと話になりません。知っていることは前提なんです。ちなみにいろんなネタが載っててお得です。個人的には『オデュッセイア』よりも優先順位が高いです。

オウィディウス 変身物語〈上〉 (岩波文庫)

オウィディウス 変身物語〈上〉 (岩波文庫)

オウィディウス 変身物語〈下〉 (岩波文庫)

オウィディウス 変身物語〈下〉 (岩波文庫)



36. 『バガヴァッド・ギーター』

 岩波文庫の赤に入っていますが、青だと思って真剣に読むべきです。もしよくわからなかったらわかるまでじっくり考えて読みましょう。

バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)

バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)



37. 『白鯨』

 メルヴィルアメリカ文学の中では突出してるでしょう。個人的にはアメリカ文学で一人選ぶならメルヴィル、二人選ぶならメルヴィルとフォークナー、三人選ぶのは極めて難しい問題といった感じです。『白鯨』好きな人にはコーマック・マッカーシーの『ブラッド・メリディアン』もおすすめします(かなりエグいですが)。メルヴィルは原文でぼちぼち読んでたんですが、最近読んでないですね。また読みたいな。

白鯨 上 (岩波文庫)

白鯨 上 (岩波文庫)

白鯨 中 (岩波文庫)

白鯨 中 (岩波文庫)

白鯨 下 (岩波文庫 赤 308-3)

白鯨 下 (岩波文庫 赤 308-3)



38. 『アブサロム、アブサロム!

 ぼくが文学にどハマりしたのはこれがきっかけです。フォークナーで一番読んだのは『寓話』ですが、『アブサロム、アブサロム!』をはじめて読んだときは文章の力に圧倒されて、読み終わって放心状態になりました。フォークナーは芸術性(詩的かどうか)という意味ではあまり評価できませんが、文学という意味ではまさに文学的なものですね、それも巨大な。ガルシア=マルケスの『百年の孤独』が好きな人はぜひフォークナーのヨクナパトーファサーガを読んでみてください。

アブサロム、アブサロム! (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-9)

アブサロム、アブサロム! (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-9)




39. 『ジェルミナール』

 炭坑労働の小説です。子供が大人になるに差し掛かって社会を考えるときにぜひ読んでみてほしい作品。この記事を書くきっかけとなったブログの1位はスタインベックの『怒りの葡萄』でしたが、まさに『怒りの葡萄』が好きな人におすすめの小説です! ぼくはゾラを布教しているので今回も入れておきます。ゾラは普通の大衆文学なので中学生でも読めます。最近のストレスフリーな異世界転生小説に慣れてる人にはきついかもしれませんが。

ジェルミナール 上 (岩波文庫 赤 544-7)

ジェルミナール 上 (岩波文庫 赤 544-7)

ジェルミナール 中 (岩波文庫 赤 544-8)

ジェルミナール 中 (岩波文庫 赤 544-8)



40. 『調書』

 おそらく文学青年なら多くの人が共感できる作品。ル・クレジオは年取って作風が変わり、そっちはそっちで好きなんですけど、若いころのも好きです。エッセイ『物質的恍惚』もおすすめです。作風が変わったとされる78年以降の作品だと、『海を見たことがなかった少年』『地上の見知らぬ少年』『砂漠』『黄金探索者』あたりがおすすめです。

調書

調書



41. 『花のノートルダム

 奇跡のような作品だと思っています。技巧と詩的表現がうまく噛み合ってものすごい世界が現出しています。ジュネ入門として新潮文庫の『泥棒日記』を読むのはおすすめしません。『葬儀』と『ブレストの乱暴者』はぜひ読むべきですが、『花のノートルダム』と比べるとインパクトに欠けます。とにかく『花のノートルダム』は衝撃でした。ちなみに『恋する虜』は買ってあります( ´ ▽ ` )ノ

花のノートルダム (光文社古典新訳文庫)

花のノートルダム (光文社古典新訳文庫)



42. 『不滅』

 技巧に頼りすぎな面はあるけれど、まさに技巧という面で参考になる作品。クンデラはいろいろ読んだけど結局これかなあ。小説家ワナビにおすすめ。

不滅 (集英社文庫)

不滅 (集英社文庫)




43. 『仔鹿物語』

 一般的なイメージだと児童書という扱いですが、抄訳ではない全訳のこれは素晴らしい文学です。こういうリストではぼくしかおすすめしてない気がしますが、今回もプッシュしたいと思います。自然と生きて死ぬ、その迫力がすごいです。もちろん小中学生にはおすすめしますし、大学生や社会人にも読んでもらいたいです。正直言ってこの作品に関してはフォークナー並みとか勝手に思ってます。

仔鹿物語〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

仔鹿物語〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

仔鹿物語〈下〉 (光文社古典新訳文庫)

仔鹿物語〈下〉 (光文社古典新訳文庫)



44. 『黒い時計の旅』

 エリクソンは技巧の作家です。文体について(詩的であるかどうか)はあまり感心しないのですが、でもとにかく技巧が凄まじいのです。ぼくは現在小説家ワナビとして新作を書こうと思っているところですが、エリクソンからはかなり影響を受けていると思います。一番影響を受けたのは『エクスタシーの湖』ですが(あれは幻術のよう)、おすすめ作品ということならまあ『黒い時計の旅』でしょうか。『Xのアーチ』なども文庫で読めるようになって、エリクソンの日本での人気が伺い知れます。

黒い時計の旅 (白水uブックス)

黒い時計の旅 (白水uブックス)



45. 『アレクサンドリア四重奏』

 すごい構成美を感じる小説。短い小説ならともかく4部作でこれとは桁違いの才能にただただ驚くばかり(原書は4部作が1冊になっていて超分厚いw)。小説家ワナビはこれを研究するとかなり実力がつくかもしれません。

アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ

アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ

アレクサンドリア四重奏 2 バルタザール

アレクサンドリア四重奏 2 バルタザール

アレクサンドリア四重奏 3 マウントオリーブ

アレクサンドリア四重奏 3 マウントオリーブ

アレクサンドリア四重奏 4 クレア

アレクサンドリア四重奏 4 クレア



46. 『パヴェーゼ文学集成』

 パヴェーゼは一般受けはしないと思います。別に面白くはないので。静謐で孤独で。パヴェーゼ作品をひとつ挙げるというのは難しいです。ぼくはパヴェーゼの人生が好きなのかもしれないですし。個人的には『流刑』や『丘の中の家』が好きなのですが、一般的にパヴェーゼの代表作といえば『月と篝火』か『故郷』か『美しい夏』かでしょう。『月と篝火』はパヴェーゼ的な雰囲気がよく出ているので代表作としては納得感あります。個人的な好みを言えば、『流刑』と『丘の中の家』で構成された『パヴェーゼ文学集成』1巻がお気に入りです。

パヴェーゼ文学集成〈1〉長篇集 鶏が鳴くまえに

パヴェーゼ文学集成〈1〉長篇集 鶏が鳴くまえに

パヴェーゼ文学集成 〈2〉 長篇集 美しい夏

パヴェーゼ文学集成 〈2〉 長篇集 美しい夏

パヴェーゼ文学集成〈3〉長篇集 月と篝火

パヴェーゼ文学集成〈3〉長篇集 月と篝火

パヴェーゼ文学集成〈4〉長篇集 青春の絆

パヴェーゼ文学集成〈4〉長篇集 青春の絆

パヴェーゼ文学集成〈5〉短篇集 八月の休暇

パヴェーゼ文学集成〈5〉短篇集 八月の休暇

パヴェーゼ文学集成〈6〉詩文集 詩と神話

パヴェーゼ文学集成〈6〉詩文集 詩と神話



47. 『越境』

 マッカーシーといえば『白鯨』的な小説として『ブラッド・メリディアン』がすごいのかもしれません。しかし、エグすぎて読んでてきつく、最後まで行けませんでした。国境三部作の2作目の『越境』はそこまでエグくはないです。その名の通り国境をまたいで旅する話です。やや説教臭いのですが、描写する文章の力強さもあって、読み終わったときの重みはすごいものがあります。「この後どうなるんだよ!?」と思った人には三部作3作目の『平原の町』があるのですが、個人的にはあまりおすすめしません。三部作1作目の『すべての美しい馬』は良い作品なのでおすすめです。ちなみにマッカーシーの原文は難しくないのでぜひ英語で読んでもらいたいです。

越境 (ハヤカワepi文庫)

越境 (ハヤカワepi文庫)



48. 『サミュエル・ベケット短編小説集』

 前回はベケットの『マロウンは死ぬ』を挙げておきましたが、今回は短編集にします。小説表現の極致などと呼ばれるものはいくつかあると思いますが、この短編集もそのひとつに入ってもいいかもしれません。「これをやってしまって次があるのか?」と思いました。ぼくはベケット(やブランショ)読んで、この時代における文学の形というものを考えているのですが結局いまだに「次」が見えてきていません。ただまあ「次」が出てこないのは何も文学界に限った話ではないのですが。結局言語の限界にぶつかるわけで、ぼくはやはり詩しかないんじゃないかと思っています。論理はやがて行き詰まり閉じていきますが、詩の無限性に賭けたいです。ちなみにどうでもいいですがぼくのIDのunnamableはベケットの小説三部作の3作品目の英語タイトルから取ってます。名づけえぬもの。

サミュエル・ベケット短編小説集(新装復刊)

サミュエル・ベケット短編小説集(新装復刊)



49. 『洪水はわが魂に及び』

 大江健三郎はどうしても『万延元年のフットボール』ばかり取り上げられがちなので、ぼくは『洪水はわが魂に及び』をプッシュしていくことにしています。純文学ということになってますが、どちらかといえば大衆文学寄りでしょう。ただ、とにかく面白いです。大江作品は技巧面でも唸らされることが多いのですが、この作品もやはりうまいなあと感じましたね。世間のイメージでは難解、悪文という感じかもしれませんが、ぼくはむしろ大江作品は教科書的に構成されていて整然としているし、奔放な想像力のままに力強く書いていくというのではなく、むしろ(悪文だろうが)洗練されていると感じます。逆にそういう部分に作家としての小ささを感じないわけではないですが。つまり大江健三郎には悪文が書けない、とぼくは思っています。天才タイプではなくて秀才タイプというか。秀才といっても、秀才の中の超秀才というわけですが。

洪水はわが魂に及び(上)(新潮文庫)

洪水はわが魂に及び(上)(新潮文庫)

洪水はわが魂に及び (下) (新潮文庫)

洪水はわが魂に及び (下) (新潮文庫)



50. 『野川』

 古井由吉の文体は正直あまり好きではないのですが(真似するワナビが多いらしい)、文学者としては一級でしょう。どちらかといえば短編のイメージですが、短編は難しいのでおすすめするなら長編作品のこれ。なんと電子書籍でも出てます。そこらへんの芥川賞作品を読んで純文学というものがピンとこない人には古井由吉がおすすめです。

野川 (講談社文庫)

野川 (講談社文庫)





 というわけで、50作品紹介してみました。前回のリストよりぼくらしくなったのではないかと思っています。




 さて、ただ50作品紹介しただけでもよくわからないと思うので、テーマごとにおすすめ作品を挙げてみます。



わかりやすいストーリーで面白い小説のおすすめ

 ストーリーで楽しめる大衆文学のおすすめは以下の2点。

  • 『ジェルミナール』
  • 『仔鹿物語』

 これらは中高生でも読めます。もちろん大学生も社会人も。とにかく普通の面白い小説です。



文学部に興味がある高校生におすすめ

 進学先としてあえて就職に不利な文学部を考えている高校生におすすめするのは以下の3点。

  • 『永遠平和のために/啓蒙とは何か』
  • 『人間不平等起源論』
  • 『危険社会――新しい近代への道』

 最後まで読まなくてもいいので小説以外の専門書を読むという体験をしてみてほしいということです。高校生がその時点で完全に読める必要はないとは思いますが、もし「自分の国語力だとあと100年勉強しても無理そうだな」と思ったら文学部はやめておいたほうがいいかもしれません。「10年勉強すればいける!」と思えるくらいなら全然大丈夫です。文学部で学びましょう。ただ就職は厳しいです。それが待ち受けている現実なのもお忘れなく……



非文学部の学生や文学部卒でない社会人におすすめ

 文学部と接点を持たなかった人におすすめするのは以下の本。

  • 『バガヴァッド・ギーター』

 これをしっかり読めるようになると他の哲学的な本への道がひらけてくると思います。それに西洋のものではないのでコンプレックスを刺激しないで落ち着いて読んでもらえそうというのも選んだ理由です。



怠惰な文学部の1年生におすすめ

 文学部に入ってみたけど、教養課程はつまらないし、なんかもうやる気ないわーって人におすすめするのは以下の3点。

 これらはストーリーの筋を追いかけるのが絶望的に大変というわけではなく、かつ技巧的な面に特徴があって新鮮な感動が得られるような小説だと思います。大学に入ったけど刺激がないという人にはおすすめです。専門書ではなく小説を選んだ理由は、怠惰な学生がいきなり専門書を読むわけがないからです。



個人的におすすめしたい本ベスト2

 誰にというわけではなく、ぼくのおすすめベスト2は以下の通りです。ベスト2ってもはや意味不明ですが。3冊目を決めるのが難しかったので二つにします。


 最近全然本読んでないのなんとかしたいなあとは思ってるんですけどね。最近はずっとゲームやってます(『ルルアのアトリエ』など)。『DEAD OR ALIVE 6』でロビマやってたら入ってきてくださいね! IDはTwitterと同じunnamable1897です。日月水木あたりの夜にたまにやってるかもしれません。やるときはTwitterで報告します。『DEAD OR ALIVE 6』は基本無料版があるのでPS4持ってれば誰でもできますよー。